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200系の後継車両と、羽田空港直通構想。東武伊勢崎線特急りょうもう号の2つの未来

こんにちは。

前回に続いて東武特急・りょうもう号に関する話題です。

1999年に急行から特急に昇格し、

都心と栃木・群馬にまたがる両毛地域を結ぶ足としての地位を確立している

りょうもう号ですが、その存在は少し地味な印象もぬぐえません。

しかし、羽田空港への直通構想が明らかになるなど、

今後の変化・発展が期待出来そうな特急列車でもあります。

今回は、そんな特急りょうもう号の未来について想像してみようと思います。

 

りょうもう号の後継は「リバティ」にあらず?新型車両の可能性

 

特急りょうもう号は、東京の浅草と

群馬県みどり市にある赤城駅とを主に結ぶ特急で、

1999年にそれまでの急行りょうもう号を昇格させる形で誕生しました。

りょうもう号に使用される200系電車(鷲宮~花崎)

急行時代から使用されているのが、流線形のボディが特徴の200系電車です。

1991年にデビューし、1720系DRCの足回りなどを流用した改造車である当系列は、

1998年につくられた新車である250型を含め10編成がつくられましたが、

元々の車両から数えて製造から60年ほどが経つため廃車も徐々に進み、

現在は6編成が在籍し、今も活躍しています。

500系の「リバティりょうもう」(加須~南羽生)

その200系電車の置き換えとして2017年から伊勢崎線でも運用を始めたのが、

500系特急型電車「リバティ」です。

3両編成を1ユニットとして、3両単独もしくは併結6両での運用を行える車両です。

日光線系統の列車同様に、列車名の前に「リバティ」をつけて

乗車時にわかりやすくなっています。

料金は200系のりょうもう号に比べて100~200円高い料金設定になっています。

500系「リバティ」の車内

伊勢崎線では、リバティは「帯に短し襷に長し」

 

リバティの増備が進み、りょうもう号の置き換えも進みつつありますが、

それでもまだ割合では半分ずつくらいです。

しかも、リバティりょうもう号はデビュー当初から

1ユニットの3両編成で運転されていたことで、

満席になってしまうケースが多く発生し、

その結果一部列車を200系りょうもう号に運用を置き換えるという改定も行われました。

先日休日午後の上りにリバティりょうもうを利用した際も3両で、

赤城駅を発車する前の時点で既に全席完売というアナウンスがされていました。

途中コロナ禍を経ている事もあったためかもしれませんが、

伊勢崎線の特急の需要を考えると、現在は3両だと供給不足なのかもしれません。

200系りょうもう号の車内。DRC時代のシートが流用されている編成もある。
伊勢崎線へ新世代の特急車両を投入するならどんな車両?

しかし、200系電車も、最も古い車両は1956年に製造されたもうすぐ70年ものの

足回りを持つ車両で、そう長くは活躍出来ないでしょう。

しかし、500系の増備は2020年以降されていないようで、そうなると

今後200系の置き換えは500系以外の

新しい車両の新製によってなされる事になるかもしれません。

最も古い205F編成は「カルピス」の現在ラッピングが施される。



500系のさらなる増備によって進めるとすると、

前述のように3両編成での運用だと積み残しが発生してしまっていますが、

かといって6両編成だと結構すいていると感じます。

リバティは伊勢崎線だとまさに「帯に短したすきに長し」のようです。

そうすると、帯でもたすきでもない長さの車両をつくった方がいいとなります。

編成数でいうと、5両編成くらいが妥当なのでしょうか?

 

では、新しい車両をつくるとして、どんな車両だったらと考えると、

りょうもう号はどちらかというとビジネス特急ですので、

イメージは近鉄名阪特急のひのとりです。

この列車はデラックスなレギュラーシートと、

さらにラグジュアリーなプレミアムシートが備わり大好評ですが、

日光線には新世代の特急「スペーシアX」が走り始めた。
伊勢崎線にも新世代の特急は投入されるのか?



ちょうど東武には2023年にデビューした「スペーシアX」があります。

スペーシアXのスタンダードシートとプレミアムシートの仕様を流用して、

4+1の5両編成くらいで運用すれば、席数的にもちょうど良さそうですし、

「これに乗りたい」という目的の観光需要も掘り起こせるかもしれません。

リバティ・スペーシアXに次ぐ、

新世代の第三の特急列車の誕生をひそかに期待したくなります。

 

羽田空港アクセス線へ、東武が乗り入れる構想がある?!

 

東武伊勢崎線・特急りょうもう号でもう一つ気になる話題が、

羽田空港への直通についてです。

 

2016(平成28)年の交通政策審議会の答申「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」に明記されています。「久喜駅での東武伊勢崎線東北本線相互直通運転化等の工夫により、さらに広域からの空港アクセス利便性の向上に資する取組についても検討が行われることを期待」という内容です。

 

 

久喜駅ではJR宇都宮線東武伊勢崎線の線路が近接しており、

栗橋駅同様渡り線を新設する事はそこまで難しくないと思われます。

久喜駅手前でJR宇都宮線の線路と近接する。



羽田空港の新アクセス線や、それに至る上野東京ラインの線路容量があるので、

そこに東武りょうもう号が新たに走る余裕があるのか?という懸念はあります。

羽田空港アクセス線の概要(JR東日本の発表資料より)



しかし東武側としてはもちろん直通列車はメリットですが、

考えようによってはJR側も「羽田から特急を大宮方面まで走らせたいけど・・」

となった時に、久喜までJR線を走る特急は都合がいいのではないでしょうか?

 

りょうもう号を利用すると、久喜での乗降が結構ある事がわかります。

大宮方面と両毛地域の移動需要もあるので、

むしろ日光線より伊勢崎線を介しての相互直通が、

利用者にとって利便性は高いのではないかと感じます。

 

前述の答申内容についての両社のコメントは、

東武は両毛地域へのメリットが高いとして

「このお話が進んでくれる事を期待」しているようなニュアンスであると感じ、

対してJR東日本は具体的にはこれからですよというニュアンスですが、

考える余地はありそうな感じでもあります。

 

 

もし実現に向けて動き出せば、

これまではあまり注目されていない存在であった、東武伊勢崎線の特急が、

一気に注目を浴びる存在になる事でしょう。

 

 

という訳で、東武伊勢崎線の特急について、

前回に続いてお送りしてきました。

 

動画です。

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