こんにちは。
今回の東海道線推しは、
「普通」という事でやっていきたいと思います。
首都圏の東海道線は、東京と熱海を主に結ぶ104.5キロの路線で、
東京駅から北は、
高崎線・宇都宮線に乗り入れて上野東京ラインを形成しています。
特急踊り子や特急湘南といった特急列車も走っていますが、
その他の普通列車は、今年3月に快速アクティーが廃止された事で、
東京を経由するいわゆる東海道線方面への列車は、
種別でいうと普通だけになりました。
そんな、普通列車だけになった上野東京ライン・東海道線ですが、
実は東京近郊では有数のスピードを誇る、快足普通列車なのです。
東海道線は「普通」でも「快速」運転をしている。
実際は多くの駅を通過していて、
快速のような役割を担っているという記事をお送りしました。
これは、東海道本線の東京~大船間や、東北本線の東京~大宮間には、
それらの駅は京浜東北線などが停車をしていて、
上野東京ライン・東海道線は品川・川崎・横浜といった主要な駅だけに停まる
快速電車のような役割に都心部ではなっているよというお話でした。
隠れた通過駅が多いという意味合いもありましたが、
スピード的にも首都圏では相当速いよという事を調べていきます。
目的地までのスピードでも、東海道線は速い!
首都圏の東海道線は、京阪神や中京の化け物のような普通列車と比較され、
遅いようにイメージされがちです。
実際にそれらと比較するとだいぶ遅いですが、
それはそれらの列車が規格外に速すぎるだけで、
首都圏の他の列車と比較すると、実はじゅうぶん速いのです。
首都圏のJRは、都心から延びる主要5路線というのがあります。
それぞれの路線で、東京駅から普通列車や快速列車で
1時間で行かれる大体のところを調べると、こちらになります。
主要5路線 1時間ほどで行ける主な駅(距離)
(東京駅から)
東海道線:平塚(63.8㎞)
横須賀線:逗子(54.9㎞)
総武快速:佐倉(55.3㎞)
常磐線 :牛久(56.4㎞)
中央特快:高尾(53.1㎞)
そうすると、だいたい東京から55㎞くらいのところにある駅が該当するようです。
そんな中、東海道線は少し離れた63.8㎞先の平塚駅まで1時間で行く事が出来ます。
なぜ東海道線は他の路線より速いのでしょう?
次に、先ほど出てきた、1時間で行ける駅までの、停車駅数をみてみました。
主要5路線 1時間で行ける駅までの駅数
(東京駅から)
東海道線:平塚 10駅
横須賀線:逗子 13駅
総武快速:佐倉 13駅
常磐線 :牛久 13駅
中央特快:高尾 13駅
東海道線は、平塚まで10駅でしたが、
他の路線はもう3駅ほど途中に駅がありました。
こう比較すると、東海道線は距離の割に駅が非常に少ない事がわかります。
他の路線は東京に近いところで停車駅が多いですが、
東海道線は横浜までわずか4駅と、少なさが際立ちます。
主要5路線 沿線の主なターミナル駅までの駅数
(東京駅から)
東海道線:横浜 4駅
横須賀線:横浜 6駅
総武快速:千葉 9駅
常磐線 :柏 7駅
中央特快:立川 8駅
普段中央線に乗る事が多い私ですが、たまに東海道線に乗ると、
駅間が長く、常にスピードが出ている印象があります。
これだけ普通列車の停車駅が少なく、スピードも速いとなると、
なかなかそこに快速列車を設定しても、ちょっと位通過駅が増えたところで、
大きな時間短縮にならないのもうなずけます。
私鉄の「特急」とスピードで負けない「普通」
その速さは、ライバル路線の特急にも負けていません。
ここには料金不要の特急が走っており、
さらにその上の種別・快特が走っています。
(どちらもlimited express)
直近のダイヤ改正で、昼間の特急が設定され、
最も速い快特は20分おきになりましたが、
その分、東海道線と同じく品川横浜を17分で結ぶようになりました。
これまでは東海道線の方が1分ほど速かったのですが、
これを縮めて同タイムになりました。
京急線の快特は、東海道線を上回る最高120キロで走り、本気モードですが、
そんな相手の最速達列車に対しても東海道線の普通列車はスピードで負けていません。
タイムが並んだ事で、東海道線はどうするのか気になるところでもありますが、
ここは王者の風格で、動かずでしょうかね。
首都圏に新快速はなぜ無いのか?
そこを踏まえて、京阪神や中京の新快速と比較してみましょう。
まず、京阪神を走る新快速は、大阪から姫路を1時間ほどで結び、
表定速度はなんと83.7キロ。
そして、中京を走る新快速は、名古屋豊橋間を53分で結び、
表定速度が82.0キロです。
これは首都圏を走る列車で近い数字をピックアップすると、
常磐線の特急ときわ号が東京土浦間で表定速度が87キロ、
東海道線の特急踊り子号が東京小田原で82.5キロでした。
京阪神や中京の新快速の速さはむしろ特急並みで、
普通列車としてはやはり規格外という事になります。
首都圏には新快速をなぜつくらないの?という事もたびたび議論されます。
上野東京ラインで当てはめると、
- 各駅の利用者数が多く、通過する駅をこれ以上作れないという事、
- 通過する種別を増やすにも線路容量や人員に余裕はない、
- 多少通過したとしても、それほど時間短縮に貢献しない事、
- 先に挙げた京急とのスピード競合にみられるように、現状でも競合にスピードで不利でないという理由から、
首都圏には新快速は必要ない・普通列車だけで十分という事になるのでしょう。
適度に速く、快適なオプションもつくのが、首都圏の普通列車。
特別料金を払えば、グリーン車で適度に速く、
特急のような快適なシートで移動できるという別のステータスが、
首都圏の普通列車にはあり、
中京や京阪神の「特急並みの速さ」とは
違った魅力になっているのではないでしょうか。
最後はテーマからだいぶ逸れましたが、
今回はこんなところにしておきたいと思います。
今回記事の動画はこちらです。
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